【みんなのおすすめアニメ】僕だけがいない街
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僕だけがいない街
フジテレビで放送されていた「僕だけがいない街」というアニメについての感想を述べたいと思います。
この作品は全12話ですが、私が最近観たアニメの中でも最も夢中になり一気に観てしまいました。
主人公の藤沼悟は29歳で「リバイバル」という特殊な能力を持っています。
身辺に悪いことが起こると過去にタイムリープするというものです。
しかし主人公が自らの意志でタイムリープ出来るわけではありません。
主人公の少年時代にクラスメートが2名、何者かに誘拐され殺害されるという過去になっており、犯人も捕まって服役しているはずの状況でした。
しかし、第一話でまたも子供の誘拐未遂事件が起こり、その直後に主人公の身辺に信じがたい不幸が起こったがために「リバイバル」の能力が働いて18年前の世界にタイムリープするという展開です。
真犯人がまだ野放しになっていることを想起させる冒頭のこの展開に私は引き込まれてしまいました。
タイムリープした時代に悪いことの根本の原因が潜んでいるということで、未来を変えようと孤独な戦いを始める少年に戻った主人公を描いています。
この作品を最終話まで観ての魅力について2点語りたいと思います。
1点目は主人公の焦り、苦悩、努力、奮闘を良く描いている点です。
過去に戻れる主人公という他の作品にもありがちな非現実の設定以外は、物語が描いている登場人物の世界はとても現実的で、静かな雰囲気で話が進んでいくということです。
過去に殺害されたクラスメート2名を助けるために、主人公は見えない敵に立ち向かっていきます。
近い未来に起こる悲惨な現実を唯一知る主人公を安易に助けてくれる都合の良い展開はありません。
主人公自らが知恵と勇気を振り絞って未来の展開を少しずつ変えていくことになります。
未来を変えていくことは容易なことでは出来ません。
殺害されるクラスメートの女の子が家庭環境が重苦しいものであることも相まって、主人公が懸命の努力でクラスメートを救ったと確信した行動が何度も報われず、作品に緊張感を与えています。
この作品は主人公の「リバイバル」の能力を軸に考えるのでなく、主人公が過去と未来を行き来する一連の流れの中で奮闘する姿勢に感動を覚えることが出来ます。
もう1点の魅力は主人公と登場人物との愛情や友情を派手でなく静かに深く描けている点です。
この作品の登場人物は決して多くはありません。
その分、主人公を助けようとする母親やクラスメートの支えが力になっていきます。
「僕だけがいない街」というタイトルの持つ意味は最終話に理解できるようになります。
最終話を観終えたときに、心の奥底から湧いてくるような感動を多くの人が覚えるはずです。
お勧めの作品です。