【みんなのおすすめアニメ】雲のむこう、約束の場所
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雲のむこう、約束の場所
新海誠監督は、最近ではヒットメイカー的な存在感を放っていますね。
メジャーというか、オシャレ系といいますか。
ライトな層に好まれるアニメ作品というイメージが最近は強いです。
ですが私は彼の真価が分かるのは「雲のむこう、約束の場所」だと思っています。
(この作品はハウルの動く城を抑え、第59回毎日映画コンクールアニメーション映画賞を受賞しています。)
花澤香菜さん主演版の「彼女と彼女の猫」も良いですが、焼き直しとはいえやはりメジャー寄りを意識しているような気がしてしまいます。
彼女と彼女の猫 http://www.kanoneko.com/
応援していたインディーズアーティストがメジャーデビューして丸くなっちゃったような…
シドがいつのまにかオシャレバンド的な立ち位置になっていて複雑な気持ちになったような。
私がオススメする「雲のむこう、約束の場所」は、初期の新海誠監督のお家芸ともいえる・引き離された男女・物理や平行世界といった時間軸・空や宇宙といったモチーフがギュッと濃縮されています。
例えるならお子様ランチプレート並に、好きな食べ物しか乗っていなくて幸せ!みたいな。
このお話は別の戦後の世界が舞台となっている。
物語は日本が津軽海峡を挟んで南北に分離され、北海道(作中では蝦夷と呼ばれている)はユニオンという組織に支配されていて、さらに謎の「ユニオンの塔」というものがそびえ立っている。
ユニオンの塔が謎過ぎるためアメリカと日本はユニオンに対し軍事的緊張感を持っている。
という説明からスタートします。
しかし主人公の藤沢浩紀は戦後生まれなので、
ユニオンの塔に対して「いつかたどり着いてみたい憧れの場所」という認識を持っている。
(作中でも年代によって塔に対する認識が異なると言っている。)
そして同じくらい憧れなのが親友の白川拓也と
一緒に作っている飛行機の完成そして、同級生の沢渡佐由理である。
この三人がひょんなことから仲良くなり、飛行機という秘密を共有しながら新海誠監督の見どころの一つ、透き通るように高い青空のもとひと夏をともに過ごす。
この親友と一人の女の子という危ういバランスの緊張感にたまらなくキュンとしてしまいます。
誰もが彼らのような青春に憧れるのではないでしょうか?
しかし運命は残酷で沢渡佐由理は長い眠りについてしまうことになります。
もうここからの展開にビックリします。
さっきまでキラキラしい青春をやっていたとは思えないほど孤独や軍事的緊張感が増していきます。
平行世界や宇宙が見ている夢など、たまらないワードも盛りだくさんです。
実はこの作品、小説版も出ているのですがアニメと合わせて読むと物凄く作品に対する理解が深まりますので一度見たという方も、まだ見ていないという方も、小説とアニメの合わせ技で見ることをオススメします。