東京マグニチュード8.0の感想、評価
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東京マグニチュード8.0
「東京マグニチュード8.0」という震災をテーマにしたアニメがあります。
日本の各地で数年に1度起こっている大震災を考えると安易に作成、放映できるものではないのかもしてません。
それでもこのアニメではその震災の厳しさや切なさ、苦労や悲しみといった部分を綺麗ごとではなく描いているのではないかと思います。
主人公となっているのは幼い姉弟です。
反抗期を迎えている夏休みに半ば嫌々弟を連れて出かけて被災するというのがこのアニメの大きなストーリーとなります。
地震の前と後で変わる姉の感情の変化も幼く、でも反抗期を迎えている年頃の子供をリアルに描いています。
被災して極限に追い込まれた中で必死に弟を探すシーンでは幼いながらも
弟に対する愛情や責任感という面が感じられて兄弟を持つ人や、幼い兄弟を抱えている人には共感できる部分や目標としたくなる部分が数多く出てきます。
一方で、被災地から両親の元に姉弟だけで向かうという追い込まれた状況の中で、しっかりものの姉でありたいと考えながらも、
弟に当たってしまうシーンや手を差し伸べてくれる大人たちに素直になりきれないといった場面についても
実際にその状況になった時には「そうなるだろうな」「それが現実」と思わされます。
被災地からの移動のシーンでは我先にとなってしまう人間の悲しい部分も飾ることなく描かれています。
そんな中にも自分を犠牲にしてでも誰かを助けようとする人の存在や協力し合って厳しい状況に耐えながら乗り越えようとしていく人間の強い部分というのもしっかりと取り上げられています。
実際に被災を経験した方々にとっては、シーンによってはリアルすぎてつらい部分もあるのかもしれません。
ニュースや伝聞でしか大地震を経験していない人にとっては自分が被災した場合はどうなんだろうと考えさせられる事だと思います。
アニメのストーリーが展開していくにつれて子供たちの成長が明らかに分かっていきます。
助けてくれる人に何かお返しをと考えるところや、学校の友達との再会を喜ぶシーンなどは子供らしさが描かれていて微笑ましく感じられる面もあります。
テーマが非常に難しいテーマであるだけに、最後はハッピーエンドでとなるアニメが多い中、このアニメのエンディングに関しては非常に意表を付かれたというのが正直な感想です。
話の構成上、最後には家族のもとにたどり着くという展開になるのですが、その再会と再会後にも子供の感情の変化と難しさが描かれています。
震災というテーマ自体についても、そして成長していく過程での子供の感情や考え方の変化についてもとても考えさせられるアニメです。